何歳になっても身近に出現する「訳の分からない奴」

 中学生の時、「高校に行ったらこういう奴おらんくなるやろw」と思ってた人たちがいた

 

 それは僕の部活の先輩で、平気な顔をして「お前昨日部活休んだから練習メニュー二倍な」と言い放つ奴のことだ。マジで意味不明。休んだ子は普通に病気で休んでたのに、次の日に部活に来たら何故か練習二倍である。訳が分からない

 これが超スポーツ推進強豪部とかならまだ分かる。練習遅れた! レギュラー争いから追いてかれる! 私にもっと練習を! 的なメンタルを休んだ子が持っていれば良い先輩だったのだろう。現実は違う。弱小部で顧問の先生の目を縫ってはサボるクソ部であった

 練習が二倍になる理由は単に腹いせだ。丸めて言うなら「私たちだけ部活頑張ってんのに休みやがってふざけんな。お前も苦しみを味わえ」的な理論の元に先輩たちは練習を課していた。ちなみにこのよく分からん理論を強行する先輩は四人いた。四人もいたので僕はちょいちょい苦言を呈していたのだが負けた。そして僕の練習量もちょくちょく二倍にされた。うーん許せねえ

 

 僕はこのよく分からんルールがクソ嫌いだったが、僕の代にもこの理論に感化されたアホがいた

 僕が最上級生になった時、僕はこのよく分からんルールをまず撤廃しようとした。しかし僕の同級生はやめなかった。僕は部長ではなかったし、どちらかと言えば成長痛のために二年に上がったぐらいから部活を休みがちになった言わば部内カースト下位だ。発言権なんてものはない。何度かやんわりと取りなしたものの、部をサボった奴を見つければ奴らは嬉々として雑務を押し付けていた

 

 僕はこういう僕には分からない理論で動く輩は、いつかいなくなると思っていた

 いつかは分からない。けれど漠然と、生きる環境を変えれば良いと思った。淡水魚は海水に棲めないように、僕が片田舎のド辺境から大海原へと居住区を移すにつれて、もしくは僕が大きくなり周りも大人になっていく過程で、自然と理解不能な奴らは消えるのだと、そう思っていた

 まぁ有体に言えば良い高校、良い大学、良い会社に入れば、僕は僕の理解できないものが薄れていくのだろうと思っていた。つーかそれが目的で僕は勉強頑張った

 

 

 

 高校生の時、「大学に行ったらこういう奴おらんくなるやろw」と思ってた人たちがいた

 大学生の時、「社会に出たらこういう奴おらんくなるやろw」と思ってた人たちがいた

 そして今ようやく、「こういう奴ってどこ行ってもなんか知らんが湧いてくるな……」という信じがたい事実に直面している

 

 

 

 まず大前提として、僕は結構人の好き嫌いが激しい

 激しいが、それなりに人と話せる人間だと思っている

 大抵の人とは仲良くなれる自信があるし、男であれ女であれ友達になれると思ってる。それなりに変人奇人とも仲良くなれるはずだとも自負している

 僕は別に誰がどんな思考の元に生きてるかなんてどうでもいいのだ。人と人とは違う生き物だし、同じコミュニティに属してる訳分からん思考回路の奴もある程度は理解しようと努めている。人と人との間に差があるのなんて当たり前だ。ゲーム好きな奴もいればオシャレにしか興味ない奴もいるし、ニンジン食えない奴も魚食えない奴もいる。それはそれで良いことだと思ってる

 

 けど、それで実害が出るなら話は別だ

 具体的に言うならば人を明らかに見下していたり、自分勝手の度が過ぎたりする奴。例えば店員に横暴だったり、店の支払いを全て他人に任せたり、自分のタスクを他人に放り投げてヘラヘラしてる奴のことである

 他にも話題の九割が他人の悪口のようなもので構成されている奴、明らかにマウントを取る気しかない奴、皆で楽しめるような空気を極端に壊しにかかる奴、「僕今怒ってますよ」って空気出して周りの空気悪くしてくる奴などなどなどなどなどなどなどだ。キレそう

 

 僕は理解できない人は嫌いじゃない。人それぞれ思考はあるし、その差は面白いと思ってる

 でも理解できないにも限度がある。コミュニティに害出すレベルの輩はマジでノーセンキュー

 そして、この害出すレベルの輩――――名づけるならば【宇宙人】共は、どんなコミュニティに行ってもいる。もうどこにでもおる。どうすればいいのってのが今回の愚痴

 

 

 

 生き物には生息域というものがある

 

 例えばコンビニバイトをやっていると、コイツ今までどうやって生きてきたんだってレベルの珍獣とそれなりにエンカウントする

 これは仕方のないことだ。コンビニは万人が利用できる場であり、マナーのなってない老人からネジの外れた若者まで誰でも入れる遊園地である。僕がバイトしてる時は店員を三十分説教するおばさんと値引きしてこようとするヤンキー三人組がいました。勿論他にももっと変なのいますよ。コンビニバイトは沼

 

 そしてこれはバイト先を変えれば変わる話だ

 塾講バイトには頭の沸いたモンスターペアレンツや塾来て一切宿題やらないくせに偉そうなキッズはいたものの、かなりマトモだった。これは金を払う客層がそれなりの知能を持っているのと、それなりにお高い塾だったために親がまともな子しか通っておらず、そのキッズ共もそれなりの学校から来ていたので話が通じる生物だったからだ

 

 これは中高大の進学にも同じことが言える。僕の地元はマジでヤンキーしかおらず高校生がタバコ吸うなんて今でも当たり前だし、僕の実家のある町は町内全ての家族構成から進学先まで把握されているレベルの超絶村社会だ。今でも思うけどマジ異常

 が、ちょっとだけ良いとこの高校に入った僕には分かる。地元の高校と駅近くの高校とではもう生物が違う。頭の良さとかの問題ではない。品というか格というか、そういったものが変わるのだ

 

 自分語りが多くなったが、要は住む場所を変えればある程度そこに居つく人間の質も変わるという話

 実際それなりのコミュニティに属してきて、この理論には間違いがないと僕は思う

 が、しかし。どれだけ大人になろうと、それなりのコミュニティに所属しようと、いるのだ宇宙人という奴は

 

 

 

 率直に言うならば、僕は今現実で出会った宇宙人のおかげで結構メンタルがイカれてる

 宇宙人にもいい奴はいる。初印象最悪でも一緒に過ごせば良い奴だった、なんてザラにあるし、大学生という生き物は知らず知らずどこかで恥ずかしい立ち回りをしている場合が多い。そういった氷山の一角、人のたった一面だけを見て「こいつやべえわメンタル壊れそう」なんて言うのは良くない

 良くないが、ここ一週間世話係として面倒を見た感じこいつはヤバい。終わってる。少なくとも僕はこの先最低半年を隣に机置いて共に勉学をできるような人間ではないと本能が言っている

 

 僕は今いるこのコミュニティから一年半は多分離れられない

 が、それなりに良いコミュニティだと思っている。変人はいるしどいつもこいつも頭おかしいが、しかしそれなりに頭は良いし面白いし大人な人が多い

 だけど、このコミュニティでもダメなのだ。「それなりにしっかりしている」と僕が思っているこのコミュニティにすらも、あまりにも身勝手で害を振りまく公害物質宇宙人は襲来するのだ

 

 もう駄目だ

 僕は就職どれだけ頑張ればこういった人種から逃れられるのだろうか。いや、多分無理だと思ってしまっている。どんなコミュニティに行ったところで、結局僕の理外の人間は必ず現れる。現れてしまう。それはおそらく確定事項だ。だから僕が変わるしかないのである。それは分かっているのだがしかし、耐えがたい

 

 どうすればいいんだろう

 まぁ答えは出てる。僕が変わるしかねえんだ。分かってはいるけど、どこに行っても他人と関わったりコミュニティに属する以上、人と人との交流の過程で生じるトラブルからは、一生逃げられないのだという悲しい事実を僕は今しみじみと痛感しています。誰か助けてほしい