古いライトノベルは何故か面白いという話

 最近、昔好きだったライトノベルを買い漁って読んでる

 9S、六花の勇者シュガーダーク、絶深海のソラリス。取り合えず思い出せたこの4作品を今読み終えたところ

 これらは僕の青春の糧となった作品たちであり、僕がラノベ沼に落ちた時の記憶を今でも色鮮やかに思い出させてくれる

 

 今にしてみれば沼に落ちた時は本当に凄かった

 ラノベ沼に落ちてた時は一日十冊は読んでた。これは比喩でも何でもない

 

 通っていた学校の図書室に、当時はマイナーというか「図書室にラノベなんて置くのあり得ない」という風潮があったために、片隅でひっそりと埃を被っていたライトノベルたち。ラインナップは今でも覚えている。しにがみのバラッドキノの旅、一つの大陸の物語シリーズ灼眼のシャナ。僕がライトノベルの存在を知り図書室に通い詰め始めた時はこの五種類五十冊程度しかなかった

 僕は一週間で全部読んだ。読むのが結構早かったのもあるし、部活が丁度休みの時期にハマったのを憶えてる。一人十冊二週間というよく分からない制限があった我が校の図書室にて、一日で十冊借りて次の日に返しまた借りていく僕は中々に本の虫だった。いや読んでるのラノベなんですけど

 学校の図書室なので追加される本は制限がかかっていた。ラノベといえばカラー絵でエッチな女の子の下着姿やなんかがあるものが多い。が、上のラインナップは素晴らしい。エッチなやつもあったかもしれないが、どれもこれも道徳的な良さを持っていた。キノの旅なんかは星新一のようなショートSFを想起させる素晴らしい造りをしていたように思う。灼眼のシャナに道徳はないだろって? それはそう

 

 兎にも角にも僕はラノベにハマり、図書室で大量に借り、そして市の図書館を梯子して片っ端から「ライトノベル」と呼ばれるものを借り、果てはお小遣いの全てを費やして新しく出版されたライトノベルを片っ端から全て買い漁るラノベモンスターをやっていた

 本当に大量に読んだ。実家にまだある。本棚四つラノベで埋められている。これ一生保存しとくのかと呆れる気持ちと、帰省の際の立派な暇つぶし道具として残したいという気持ちと、思い出にしがみつく愛着の念があって捨てられないでいる

 

 そして最近思うのだ

 昔のラノベは良かったな、と

 

 今のラノベがどうのなどという厄介オタクのようなことは言わない。つーか最近のラノベ知らん

 だが、SNSも未成熟なあの頃に、何の情報媒体もなく購入した数々のライトノベル達。あれらはほとんど全て本当に面白かったように思う

 

 過去を懐古するのはおっさんの所業だ

 「昔は良かったな」は老害の常套句である。僕もついにおっさんに片足突っ込んだのかもしれん。悲しい

 まぁそんなことは置いておいて、思い出補正というのもあるのだろう。情緒もまだ成熟しきっていないガキの頃に突っ込んだ物語は、頭でっかちな大人になった今咀嚼する数多の物語よりも印象が深くなっているという至極当たり前の理論もある

 

 ただ、理由なんてどうでもいい。ここ数週間は暇さえあれば昔のラノベを読み、昔のラノベを探して購入し、を繰り返している

 とても楽しい。どれも数年、もしくは数十年前に発売されたものだ。そして一度は必ず読んだことがある。だというのに面白いのだから中々に人間の脳とは不思議である

 ラノベ作家になったことも関係しているのかもしれない。また違った視点で過去に楽しんだ物語を反芻している

 

 そして同時に、悲しいとも思う

 僕が大好きだった作品たちは、続きが描かれていなかったりするものが多い

 理由は分からない。分からないが、9Sも六花の勇者も未完だ。バラッドや大陸シリーズ、灼眼のシャナは完結していたし、キノの旅や禁書は作者が生きている限り一生刊行されるだろう。けれど、とてもとても面白いのに続刊が出ない作品というものが大量にあることが本当に悲しい

 

 などと、思っただけ

 だからどうとか、その理由について考察する気はない

 ただただ悲しいと感じたということをメモ書きに残しておこうと思う

 

 

 

 あと最近髪を伸ばし始めた

 前髪が鼻下まで伸びている。男でこれは伸びすぎだ。が、長い方が似合っているのでこの髪の長さで許される期間はこれでいこうと思う

 

 髪を長くすると弊害が多い。シャンプーやコンディショナーの消費量が増えるとかいう些事はどうでもいいのだが、抜け毛がヤバい。本数は変わっていないのだろうが長さが変わったため目に見えて長い髪がシャワーで抜け落ちていく。ハゲが加速している幻想を抱く。幻想だと良いんだが

 短かった時は一ヶ月に一度ほどでよかった排水口の掃除も、今では二週間に一度はしないと少し水が詰まるようになった。世の女性はこれがデフォルトだというのだから恐れ入る

 目や口に髪の毛が入るのも邪魔だ。一人の時はだいたいピンで止めている。が、ピンで止めている時の髪型はお世辞にも他人に見せたいものではない。研究室では本当に邪魔くさいと思いつつ、しきりに髪を横に撫でつけてはハゲの教授に「wanくんさっさと髪切ってよ」と言われている。羨ましいのかと聞いたら怒られた。僕も正直邪魔なので切った方が良いのだが、オシャレに不便はつきものらしいので我慢してほしい。僕も我慢してるし

 

 面倒なことは多いが、多分人生で今しかこんな髪型出来ない。バンドやってた時の刈り込みの次元ではないほどに他所で通用しない髪型になっているが案外気に入ってる。しばらくはナルシストな僕を楽しみたいと思います